【2024/11/11-11/24】名古屋市長選挙2024 LGBTに関わる政策課題アンケート・7候補中5候補から回答あり(11/19記者会見)
- rainbow758
- 2024年11月17日
- 読了時間: 10分
名古屋市中区に本拠を置く性的少数者団体・レインボーなごやは、2024年の名古屋市長選挙にあたり、各候補者全員(7名)、に、選挙スタートの11/11(日)に、LGBT政策アンケートを手渡し・郵送いたしました(選挙事務所に手渡し・投函→尾形、大塚、広沢、水谷。郵送→太田、不破、すずき)。回答期限11/18(月)、市政記者クラブにて記者会見と公開11/19(火)。名古屋市長選挙での過去最高の全7候補のうち、5候補から回答をいただきましたので、ここに公開いたします。 ■各候補者・政党の回答一覧
×回答なし → 広沢(推薦:保守)、すずき

■名古屋市長選挙・各候補者の回答(各項目の順番は回答順)
問1.同性婚について(国・政府の対応)
②:全国同一のパートナー/シップファミリーシップ制度の整備 → 水谷
⑤:同性婚は必要は無い → 該当なし
⑥:パートナー/ファミリーシップ制度は必要ない → 該当なし
⑦:その他 → 不破
自由筆記:
水谷: 私は基本的人権を尊重したい。婚姻は国の制度であり、過去には社会・家族の問題であった。しかし、現在では婚姻は極めて個人的な問題になっており、基本的人権を考慮して同性婚も認
めるべきである
尾形: 同性婚を認めないことは、憲法14条(法の下での平等)、憲法24条(個人の尊厳)に明らかに違反していると思います。ただちに同性婚を認める法律を制定すべきです。
大塚: 司法(とくに最高裁)の判断も踏まえつつ、各地の自治体の取り組みの積み重ねで徐々に社会的コンセンサスができてくるものと思う。
■問2.性同一性障害特例法の見直しについて
④:要件全般を見直し、社会生活について追加 → 水谷
⑤:改正の必要性なし → 該当なし
⑥:その他 → 不破
自由筆記:
水谷: 性の不一致は本人がそう感じているのであれば、認めるべきである。生殖要件や外観要件は、それを国・裁判所が挙げるとすれば、極めてグロテスクであり、基本的人権、プライバシーを著しく毀損している。性不一致は、まず心の問題であり、基本的人権であるので、その判断に国が入り込むべきではない。本人の申請のみによって戸籍変更を行うべきである
尾形: ジェンダー・アイデンティティーは個人の尊厳に属するものであり、尊重されなければなりません。その立場から現行の特例法を見直すべきです。
大塚: 外観要件については、女性の不安を解消するために一定の社会的コンセンサスが得られることが重要課題だと思う。
■問3.「LGBTお断り」問題について
③:民事事案について国が介入しない → 水谷
④:その他 → 不破
自由筆記:
尾形: 性的嗜好や性自認を理由としての「LGBTお断り」は、人権侵害・差別だと考えます。ただ現状は、この認識が常識となっていく進行過程にあると思います。理解の増進を図るとともに、差別禁止法の制定をめざすべきだと思います。
大塚:社会的コンセンサスを醸成するためには、LGBT理解推進法の趣旨に則り、啓発活動を行うことが望ましい。
■MtFトランスジェンダーの女性スペースにおける扱いについて
(2問あり:いわゆる風呂・トイレ問題)
問4. MtFトランスジェンダー当事者の女性スペース(女湯や女性用トイレ)の使用について
③:その他 → 不破
自由筆記:
水谷: 公共においてはトランスジェンダーのためのトイレを設けるべきである
尾形: トランスジェンダーの方のスペースを確保することが求められていると思います。一方で女性が安心・安全に過ごせるスペースの確保も当然必要なことです。トランスジェンダーの方を排除することないスペース、同時に女性も安心・安全に過ごせるスペースを合理的に確保していくことが求められていると思います。
大塚: 女性の不安を解消するために、法律・条例で基準やルールを明確にすることが必要である。
問4. MtFトランスジェンダー当事者の女性スペース(女湯や女性用トイレ)の使用基準について
②:戸籍上の性別 → 該当なし
③:性器の外観 → 該当なし
④:医師の診断 → 該当なし
⑥:本人の性同一性・性自認を基本とする → 尾形
自由筆記:
水谷: 自由筆記: 現時点では他の人たちの了承が得られない。なので公共においてはトランスジェンダーのためのトイレを設けるべきである。ただし銭湯や民間施設のトイレについては、ビジネスであり、運営者の意向を優先しなければならない。
尾形: 問4と基本的に同じです。
大塚: (問4と同じ)女性の不安を解消するために、法律・条例で基準やルールを明確にすることが必要である。
■名古屋市長選の各候補に配布したアンケート本文
■同性婚について(国・自治体の対応)
法律上の性別が同じであるカップルが婚姻できないことが憲法違反であるとする訴訟
が全国で相次いで起こっています。そして現在、札幌高裁をはじめ、東京地裁や名古屋
地裁・福岡地裁などが、同性同士のカップルが家族となることが出来ない今の法制度が
「違憲」または「違憲状態」であるとの判断を下しています。
そこで お聞きいたします。
問1.あなたは、上記の問題について国や自治体がどのような措置を取る
ことが望ましいと考えますか? (複数回答可)
1.国 政府 は、男女間で可能な婚姻が同性同士でも可能になるよう、関連諸法規の改
正を行なうべきである。
2.国 政府 は、現在、各地の自治体で作られている「パートナーシップ制度」や「フ
ァミリーシップ制度」のような全国共通の制度を作るべきである。
3.国 政府 の動きを待つだけでなく、各地の自治体で作られている「パートナーシッ
プ制度」や「ファミリーシップ制度」をより広範囲 自治体をまたいで で利用できるよ
うに、なんらかの動きを作っていきたい。
4.名古屋市に現在あるファミリーシップ制度を、よりよいものにしていくために利用
実態調査などを行いたい。
5.現行の婚姻制度を変える必要は無い。
6.「パートナーシップ制度」や「ファミリーシップ制度」は必要ない。
7.その他。
自由筆記欄(回答についての詳細や、本件についての お考えを お書きください)
■性同一性障害特例法の見直しについて
「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(「性同一性障害特例法」)に
ついて最高裁は昨年10月、「生殖機能が無いこと」を戸籍上の性別変更の要件にするこ
とについて(言わゆる「生殖不能要件」)、「違憲」との判断を下しました。そして、「変
更する性別の性器に似た外観を備えていること」を性別変更の要件とすること(言わゆ
る「外観要件」)については広島高裁に差し戻して改めて判断させることとしました。
そして今年7月、広島高裁は、「変更後の性別の性器だと認識することに『特段の疑
問を感じない』外観であれば要件を満たす」と判断し、手術を伴わなくてもホルモン療
法などで外観要件を満たす場合が有りうるとしました。
現在、性同一性障害特例法には他にも、「本人が18歳以上であること(成人要件)」、
「現に結婚していないこと(非婚要件)」、「18歳未満の子が現に居ないこと(子無し要
件)」などが有ります。
そこで お尋ねいたします。
問2.あなたは、性同一性障害特例法の見直しについて、どのような姿勢
で臨むべきだと思いますか? (複数回答可)
1.最高裁が違憲との判断を示した「生殖不能要件」についてのみ見直しを行なう。
2.「生殖不能要件」だけでなく、(「外観要件」や「子無し要件」などの)他の要件に
ついても見直しを行なう。
3.「生殖不能要件」については見直しを行なうが、同時に、心と体の性が一致しない
「性別不合」の状態が一定期間続いていることや、性自認に基づいて社会生活を送って
いることなどの要件を性別変更の条件として新たに加える。
4.「生殖不能要件」だけでなく、(「外観要件」や「子無し要件」などの)他の要件に
ついても見直しを行なうと同時に、「性別不合」の状態が一定期間続いていることや、
性自認に基づいて社会生活を送っていることなどの要件を性別変更の条件として新たに
加える。
5.現段階で現行の性同一性障害特例法の改正の必要性は感じない。
6.その他。
自由筆記欄(回答についての詳細や、本件についての お考えを お書きください)
■「LGBTお断り」問題について
福岡市内の不動産会社が賃貸物件の入居者募集条件に「LGBT不可」という項目を記
載して客に案内していたケースが複数あったと10月2日の『朝日新聞』が報じました。
同様のケースとしては2020年にも沖縄県の不動産業者が賃貸物件の契約に関する「同意
書」に「LGBTの方は原則お断りしています」と明記し、入居後に同意事項に違反す
る事実が判明した場合は「契約解除となります」として、LGBTであることを隠して
入居しても事実が確認された場合は退居を求める旨が記載されていた件も有りました。
そこで お尋ねいたします。
問3.あなたは、上記のような問題に国としては どのような方策を中心
として対応していくべきと考えますか? (複数回答可)
1.「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に
関する法律」(「LGBT理解増進法」)の趣旨にのっとり、性的指向及びジェンダーアイデ
ンティティの多様性に関する国民の理解を増進すべく啓発の徹底を図る。
2.性的指向やジェンダーアイデンティティの表現に基づく差別を禁止する何らかの法
制度の確立を図る。
3.こういった民事事案について行政が介入することは望ましくない。
4.その他。
自由筆記欄(回答についての詳細や、本件についての お考えを お書きください)
■MtFトランスジェンダーの女性スペースでの扱いについて
(2問:いわゆる風呂・トイレ問題)
トランスジェンダー、取り分け tFトランスジェンダー当事者(身体的・生物学的に
は男性として生まれ、女性として暮らすことを望む者)が風呂やトイレなどの女性スペ
ース(女湯・女性用トイレなど)を使用する際の扱いが話題と なっています。こうし
た扱いが法的にはグレーな状態に置かれているのではないかと考える人も居ます。
この問題は 当事者の間でも意見が分かれる問題であり、簡単な解決策が有るわけで
はありません。ここでは、大きな方向性について お答え頂ければ幸いです。(様々な社
会状況を考慮し、FtMについては以下の設問対象から除外しています)
問4.身体的・生物学的には男性として生まれ、女性として暮らすことを望む tFトラ
ンスジェンダー当事者の女性スペース(女湯や女性用トイレ)の使用について、あなた
は、国が どういった形で介入することが望ましいと考えますか? (複数回答可)
1.法令(条例)により出来るだけ早く基準を明確に示し、当事者や周囲の混乱を収集す
ることに重きを置くべきだ。
2.法令(条例)という形で新たに一律の線引きを行なうのではなく、現行の法制度を用
いて個々の事案に対処し、判例の積み重ねなどにより穏やかに基準形成を図るべきだ。
3.その他。
自由筆記欄(回答についての詳細や、本件についての お考えを お書きください)
問5.MtFトランスジェンダー当事者の女性スペース(女湯や女性用トイレ)の使用に
ついて、貴党は、次のうち どういう基準で判断されることが望ましいと考えますか?
(複数回答可)
1.出生時の身体的性別を基本とする。
2.現時点での戸籍上の性別を基本とする。
3.現時点での、言わゆる性器の外観を基本とする。
4.医師の診断を基本とする(「性的不合」のカテゴリーに当てはまっているか否か)。
5.現時点での社会生活上の在り方を基本とする。
6.本人のセクシャルアイデンティティ(性同一性・性自認)を基本とする。
7.風呂とトイレでは異なる基準で判断されるべきである(出来れば自由筆記欄で具体
的に)。
8.その他。
自由筆記欄(回答についての詳細や、本件についての お考えを お書きください)




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