【2019/4/26-28】東浦・バリアフリーかあちゃん・上映中止申入れ経緯・新聞報道
東浦町制70周年記念で地域住民がつくった市民映画の上映中止を求めた当会の申し入れが、各紙に報道されています。 この映画の内容は、報道にありますようにMtFを主人公としていますが、不自然で不必要な形で「男」だと子供にも言っていないことを衆目の前でカミングアウトするものです。 当会は映画の主人公と酷似する状態の複数のMtF当事者とともに映画をみて検証したところ、やはり問題であり誤解を広めると判断いたしました。
当会は、いきなり上映中止を町に申し入れる前に、当事者たちとまとめた質問事項をまとめ、監督と製作者サイドと交渉を試みましたが 監督は、 「この映画を評価する当事者もいるはず(仮定の話で具体的な人は、いないようでした)」 「当事者の意見をすべて聞けるわけではない」 「これは映画でフィクションです」などの返答を繰り返し、話が通じない感じでした。 ま事前にMtF当事者などに取材などをしたのかという問いかけにも「勉強しました」との返答のみで、具体的な取材は行われていない模様で、なにを勉強されたのかもよくわからないままでした。
そこで当会は、監督ではなく製作者サイドと話をすすめることにしましたが、 東浦映画プロジェクト代表は、当初はある程度は誠実に対応をしていましたが、 途中から、東浦プロジェクトとは関係ないと自称する人が間に入り、 「質問事項に回答したら上映会ができるのか」 「質問に答えたのだから正解を教えろ」などという話になり、話が通じなくなっていきました。
当会は、この問題は、何故か間に入っている「東浦プロジェクトとは関係ないと自称する人」に問題があるのではないかと考え、 代表に直接電話して真偽を確かめようとしましたが、それまで代表が直接出ていた電話には、 なぜかその「東浦プロジェクトとは関係ないと自称する人」が出て 「代表は医者の指示により3日間声を出せないから電話も変われない」ということで、代表が電話にでることもなくなりました。 あまりの対応に当会は困惑し、声が出るようになったら電話していただくよう伝えて、連絡を待ちましたが、一向に連絡は来ず。 また、代表の話によると、上映会を実施するとしても8月以降で、当会の意見も聞きたいとしていたにもかかわらず、 (当会は上映の中止、最後のシーンの撮り直しを求めていました) GW中をスタートとして何回かの上映会の計画が告知されるに至り、 東浦映画プロジェクト側による誠意ある対応はされていなと判断、やむなく町に申入れに至ることになりました。
LGBT支援団体指摘で上映中止(NHK 東海NEWSWEB) 2019年04月25日21時42分 愛知県東浦町の公募で製作された映画が、性的マイノリティーの人たちにとって不適切な内容が含まれるとして、名古屋市内の支援団体が、東浦町の公共施設での上映を中止するよう求め、施設を運営する地元の社会福祉法人は、上映の中止を決めました。
性的マイノリティーの人たちを支援する名古屋市内の団体は、東浦町と隣接する半田市の市役所で記者会見を開き、東浦町が公募し地元の住民グループが製作した町制70周年を記念する映画「バリアフリーかあちゃん」に、不適切な内容が含まれると指摘しました。 具体的には、映画のなかで、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの主人公の女性が、男性であることを周囲に告げるシーンがあり、これが、性的マイノリティーの人たちへの誤った認識を社会に与えかねない内容だとしています。 団体では、公共施設での上映中止を東浦町に申し入れ、施設を運営する地元の社会福祉法人は、ことし7月に予定していた上映を中止することになりました。 一方、映画の監督を務めた石丸みどりさんは、NHKの取材に対して、「LGBTや障害のある方、外国人など、悩みを持つ方を応援する目的で作った映画で、こちらの製作の意図が正しく伝わらず残念だ。何かしらの方法で、相手方と話しをしていきたい」と話しています。 https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20190425/0004401.html
LGBT支援団体 上映中止申し入れ 東浦町に(中日新聞) 多様性を認める社会づくりをテーマに東浦町の町民グループが撮影した映画を巡り、性的少数者(LGBT)の表現が誤解を招くとして、名古屋市のLGBT支援団体「レインボーなごや」が二十五日、町に対して上映中止を申し入れた。 映画のタイトルは「バリアフリーかあちゃん」。主人公が言葉の壁や障害者への偏見といった「バリアー」を打ち破っていくストーリーで、町民有志らが町の補助金計五十万円余を受けて撮影した。 問題となっているのは、女性役者が演じる主人公が、心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」の当事者であることを大勢の前で明かすシーン。レインボーなごやによると、現実には元々の性別の公表自体が当事者にとって苦痛という。酒井徹共同代表は「映画では感動的に描かれており、トランスジェンダーについて誤った認識が広がる恐れがある」と話した。 一方、町民グループの代表は取材に「別の当事者団体からは好意的な意見もある。申し入れに驚いたが対応は検討する」と答えた。 2019/4/26 中日新聞・愛知県内版
町制記念映画「上映中止を」 東浦 LGBT団体申し入れ(読売新聞) LGBT(性的少数者)団体「レインボーなごや」(名古屋市中区)は25日、東浦町に対し、町制70周年記念で住民が制作した映画「バリアフリーかあちゃん!!」の当面の上映中止を求める申し入れをした。町は7月7日に町内の公共施設で行う予定だった上映会の中止を決めた。 映画は、町民有志らでつくる「ひがしうら映画プロジェクト」が制作。町は制作費の一部を補助している。男性として生まれたが女性として生きるトランスジェンダーの主人公が、町内で起こる問題を解決するという内容。問題としているのは、主人公の子供が井戸に落ち、助けようとすると「女の出る幕ではない」と言われ、実は男性だと告白するシーン。 半田市役所で同日、記者会見した同団体の酒井徹・共同代表は「公衆の面前で不本意な告白をさせている。性別を隠していることが後ろめたく思わせる恐れがある」などと主張する。同団体はプロジェクトにシーンの撮り直しや上映の中止などを求めているという。 一方、映画監督の石丸みどりさんは「多様な人がいて、それを受け入れられる社会にしたいという思いで制作した。LGBTの方たちを批判する気持ちはまったくない。お互い歩み寄れる方法があるか検討したい」と話した。 2019/4/26 読売新聞・愛知・名古屋市内版
LGBT団体 上映中止申し入れ 東浦町記念映画 問題ある(毎日新聞) 性的少数者団体「レインボーなごや」(事務局・名古屋市中区)のメンバーが25日、東浦町役場を訪れ、町制70周年記念で作られた映画「バリアフリーかあちゃん」の町施設での上映を中止するよう、神谷明彦町長に申し入れた。町は7月7日に予定していた上映を中止することにした。 映画は町内有志による「ひがしうら映画プロジェクト」(村松愛子代表)が制作。男性として生まれ、女性として生きるトランスジェンダー(心と体の性別が異なる人)の主人公が、町内で起きる諸問題を解決していく内容。同団体は3月9日の試写会で展開に問題が有ると判断した。 申し入れ後に記者会見した同団体の酒井徹共同代表は「井戸に落ちた息子を助けようとした母親に『女の出る幕ではない』と差別発言をし、母親に『実は私は男です』と言わせた場面が特に問題。本来は秘密にしたいことを不本意に言わせたことが誤解を招く」と話した。この部分の撮り直しなど話し合おうとしたが進まなかったという。 映画を監督した石丸みどり・愛知淑徳大講師は取材に「多様な方がいることを知ってもらい、それを受け入れられる社会になってほしいと作った。偏見はなく、歩み寄れることがあれば話し合いたい」と話した。 【林幹洋】 2019/4/26 毎日新聞・AICHI・なごや近郊版 https://mainichi.jp/articles/20190426/ddl/k23/040/227000c
性的少数者ら描いた映画 支援団体の抗議受け東浦で上映見合わせ(朝日新聞) 性的少数者らに立ちはだかる社会の様々な障壁を超えようと奮闘する様子を描いた映画「バリアフリーかあちゃん!!」の上映を計画していた東浦町社会福祉協議会は、7月7日に町内で予定していた上映会の見合わせを決めた。性的少数者を支援する民間団体「レインボーなごや」(名古屋市)が25日、町側に上映中止を申し入れたためという。 映画は市民団体「ひがしうら映画プロジェクト」が町の補助を受けて制作した。町側は「映画を製作した市民団体と、レインボーなごやが話し合い、問題が解決するまでは上映を中止したい」としている。 レインボーなごやが最も問題視しているのは「かあちゃん」が息子を助けに行く場面。「女の出る幕じゃない」と言われた「かあちゃん」は「実は男だったんです」と制止を振り切る。2月の試写会で映画を見てショックを受けたメンバーがいたという。酒井徹共同代表は「強制的なカミングアウトを感動的に描くのは当事者の思いと異なる誤解を生みかねない」と指摘し、撮り直しを求めたという。 監督の石丸みどりさんによると、別の性的少数者からは「よく理解して作られた映画」と感想が寄せられたという。「勇気を出して前に向かうのを支えたい思いを込めた映画。しっかり話し合いができずこのようなことになり残念。今後、協議したい」と話した。 (江向彩也夏) 2019/4/26 朝日新聞・名古屋・尾張・知多版
誤解広がる恐れある LGBT団体 東浦町に上映中止要請/愛知
愛知県東浦町で町制70周年記念として制作された映画「バリアフリーかあちゃん」について、性的少数者団体「レインボーなごや」は25日、「当事者に対する無理解や誤解がうまれかねない」として、町施設での上映を中止するよう、神谷明彦町長に申し入れました。町側は申し入れをうけ、7月7日に町内で予定していた上映を見合わせました。
同映画は、多様性を認める社会づくりをテーマに、町民有志「ひがしうら映画プロジェクト」が補助金約50万円を受けて撮影したもの。レインボーなごやがとくに問題視したのは、体は男性、心は女性(MtF)として生きるトランスジェンダー(心と体の性の不一致)の主人公が、大勢の人の前で、当事者であることを明かすシーンです。周囲の人から「女の出る幕ではない」と言われたことに対し、実は男なんですとカミングアウトさせられる展開が「感動的なもの」として描かれている点です。
酒井徹共同代表は、「強制的なカミングアウトを感動的に描いており、このままの状態で上映すれば、当事者に対する無理解や誤解が広まりかねないと懸念した」と話します。
レインボーなごやは、同映画の試写会(3月9日)を見て、問題があると判断。プロジェクト代表に取り直しなどの話し合いを求めてきましたが、協議が出来ないまま、プロジェクト側が今月21日に上映の告知をしたことから、今回の申し入れに至りました。 2019/4/28しんぶん赤旗